私がいけばな教室で気をつけていることが1つあります。それは「参加者さんのお花を否定しない」ということです。なんじゃそれ、普通やんと思われるかもしれませんが、これにトラウマをもっておられる方が少なからずおられると分かったからです。

 

どういうことかというと、「お花が好きで以前習っていたけれど、先生がこうでなければならないと強く言う人で、疑問に思ってやめてしまった」とか、「体験教室に行ったところ、先生がわさっと引っこ抜いてサササッと生けなおしてハイ、と言われお稽古終了でショックだった」というお話を耳にすることがけっこうあるのです。お花に興味をもって、勇気を出して入門されたのにそんな経験をしたら、嫌になって当然だと思います。(そういう体育会系?が好きな方もおられるので、否定はしませんが。)   私自身は師匠からそんなことを言われたりされたりしたことはありません。ノホホン環境でのびのび育ってきたので、ちょっと信じられない話です。

 

華道がいわゆる「嫁入りするために娘時代に身につけておくべきお稽古ごと」のひとつだった時代はそういった指導法でも成り立っていたのだろうと思います。それなりの年齢の女性がほぼ全員、習うのですから、先生も数をさばくような教え方でOKだったのでしょう。でも、今は違います。右へならえの必須のお稽古ごとなど存在しません。華道だって、今を生きる人に選ばれなければ淘汰されていくと思います。

 

私はいけばなに正解はないと考えています。そもそも「好み」のものだとも思います。多くの人が美しいと感じる「型」や、ロジックはお伝えしますが、その手法を使ってどう生けるかは、その方に決めていただきたい。一枝、一輪をよく観察して、”私”が一番好きなところ、「感動ポイント」を見つける。この葉がきれい、この枝の線がかっこいい、この花が好き・・・自分の感動がどこにあるのかを探り、小さな決断を積み重ねることが大切です。

 

「感動ポイント」が人それぞれ違うから、作品も違って面白いのです。(感動ポイントの見つけ方のヒントはいろいろあるので、それもお伝えしながらすすめています!)例えば、すっきり葉を落とすのが好きな方もおられるし、なるべく自然のままが好きな方もおられる。それは、その方にしかないセンスなのです。何を大切に思うか、です。
以前に嫌な経験をされていながらも、またいけばな体験教室に来てくださる方がおられるということ。お花が大好きな人って多いんだなと改めて思う。あと、私のいけばな活動の方向性にもちょっぴり手ごたえを感じます。私が何を大切に思うか。私自身も自分を否定せず、本音でやりたい。前に習ってイマイチだった方、いけばなも色々あります。ぜひ一度いらしてください。

 

次回は2017年6月25日(日)  14〜17時、京宿 満きさんで開催予定です。

 

 

admin

光川 貴風 正統則天門華道 準師範

滋賀出身、京都在住。1984年生まれ。6歳より生け花をはじめる。京都精華大学卒業後、京都の老舗仏具メーカーに勤務。25年あまり続けてきた正統則天門華道の型を軸に、現代の暮らしになじむ生け花を提案しています。

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